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漢方あれこれ

漢方薬の特徴

 漢方薬には西洋薬にはない特徴があります。まず原料が化学物質ではない天然の物であるということ。場合によっては、“水”までも薬になりうること。普段あたりまえのように食べ物を組合せていますが、漢方的には薬効を考えた組み合わせになっていることなどがあげられます。

1.漢方薬の原料

  漢方薬の原料と聞いて思い浮かべるものは、乾燥した根や葉ではないでしょうか。漢方薬の原料を「生薬」といいますが、この生薬として用いられるものの多くは、植物の根、葉、茎です。しかし、化学合成物質が出来る以前は「生薬に用いられないものはない」といわれる程、ほとんどの物が生薬として使われてきました。生薬は大きく3種類に分けられます。ひとつは皆さんご存知の「植物」。乾燥したものだけではなく、生でも用います。もうひとつは、“熊の胆”や“麝香”などで知られる「動物」。この動物には虫も含まれます。珍しいものに、“蛭(ひる)”や“虻(あぶ)”などがあります。最後はあまり知られていない「鉱物」です。鉱物にはギプスを固めるときに使う“石膏”や大型哺乳類の化石の“竜骨”などがあります。

2.水が薬?

さて、「水が薬になる」というのは、どういう意味でしょうか。咽が渇いたときに水を飲むと渇きが癒されるのは当たり前です。しかし、二日酔いなどで咽が乾いて水を飲んでも吐いてしまい、渇きが癒されなこともあります。漢方の古典の『傷寒論』では、この様な違いを分類して、水が必要な状態、白虎加人参湯が必要な状態、五苓散が必要な状態に分けて適応を説明しています。水が必要なのは、多量に汗をかいて咽が渇き苦しくて眠れなく、脈が“緩”の状態です。“緩”というのは緊張がなくゆったりとした脈をいいます。同じような状態で脈が大きく力があれば白虎加人参湯の適応ですし、脈が浮いて、尿が出にくく、咽の渇きが強ければ五苓散の適応となります。

3.生姜と刺身

  カツオの刺身を買うと生姜が付いてくる事があります。寿司にはガリ(甘酢に漬けた生姜)が付き物です。これには漢方的な理由があります。刺身のような生ものは消化が悪く、胃腸を冷やします。そのため、胃腸を温める生姜を一緒に食べて、胃腸の働きを助け消化を良くすることが目的です。

4.漢方薬の色々な形

  最近では、漢方薬というとエキス剤を思い浮かべる方が多いようです。エキス剤は、生薬の葉や木や根などを刻んだものを煎じ、出来上がった煎じ液を乾燥させて粉末や顆粒にしたものです。飲むのは簡単で便利ですが、乾燥させる際に揮発成分が減ってしまいます。味が濃い漢方薬は飲みにくいため、エキスをカプセルに入れた物やエキスを固めた錠剤も作られています。

 エキス剤の次によく用いられるのは、煎じ薬です。煎じ薬は、生薬の葉や木を刻んだものを直接患者さんに渡し、患者さんが煎じて服用します。煎じ方を間違うと有効成分が煎じ液にうまく抽出されないといった問題がありますが、揮発成分は十分に残ります。

 散薬は生薬をそのまま粉にしたものですが、熱を加えていないため使用する生薬の洗浄や滅菌が重要となります。漢方薬に大腸菌をはじめとする細菌が付着していると「漢方薬で食中毒」などと笑えない話が起きる可能性が出てくるからです。服用の手軽さはエキス剤と同じです。散薬も長期間保存すると揮発成分が減少します。

 丸薬は散薬を糊で丸く固めたものですが、散薬と同じように細菌の付着の問題があります。丸薬は胃に負担が少ないため、八味地黄丸などのように「地黄」の含まれている処方は、煎じ薬より丸薬が便利です。地黄は胃のもたれや下痢などの副作用が出やすいのですが、丸薬にすると副作用が減少します。

 漢方薬に坐薬があるというと驚かれることが多いのですが、3世紀頃に書かれたといわれる『傷寒論』という本に「蜜煎導」(みつぜんどう)という坐薬が載っています。この薬は蜂蜜を熱して固めたもので、便秘のときに使います。現在は、西洋薬に便秘に使う坐薬がありますので、蜜煎導はほとんど使われていません。また、最近になって五苓散という薬を坐薬で使う研究がされています。五苓散は吐き気によく効くのですが、吐き気あると飲み込むことが難しいため、坐薬という方法が検討されているのです。

 漢方治療では、すべての病気を飲み薬で身体の中から治すのが原則ですので、前述の坐薬や軟膏は漢方治療の中では特殊なものです。